いざ倉庫を貸し出してみると、「家賃が振り込まれなくなった」「退去してほしいのに拒否された」「退去後の修繕費を巡って揉めている」といった問題が起きることがあります。
倉庫賃貸のトラブルは、住宅と比べて一件あたりの金額が大きく、相手が事業者であることから対応が長引きやすいのが特徴です。知識のないまま貸し出してしまうと、気づいたときには取り返しのつかない状況になっていることも。
この記事では、倉庫賃貸でよく発生するトラブル5つを事例とともに解説し、それぞれの予防策と対処法をまとめました。「これから倉庫を貸す予定がある」「すでに貸しているが不安がある」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
空き倉庫の活用、リープコネクトにご相談ください
埼玉・群馬・栃木(北関東)エリアを中心に、東京・千葉・神奈川も対応。
サブリース方式で、手間なく安定した賃料収入をご提供します。
トラブル①:近隣クレーム(騒音・振動・臭い)
倉庫賃貸では、周辺住民・近隣店舗からのクレーム(騒音・振動・臭い等)が起こることがあります。住宅地や商業地が近い立地では、借主の業種・稼働時間・車両動線によって、夜間早朝の荷捌き音やフォークリフト振動、食品等の臭気が問題化するケースが見られます。
よくある事例としては、深夜・早朝の荷物の積み下ろし作業への苦情、食品を扱う借主が出す臭いの拡散、フォークリフトや業務用機械の振動が隣接建物に伝わるケースなど。オーナー自身には直接の過失がなくても、物件の所有者として対応を求められる立場になる点は覚えておく必要があります。
予防策と対処法
最も効果的な予防策は、契約書に「使用用途」「稼働時間」「搬入出時間帯」「車両条件(大型車可否)」「違反時の是正手順(書面通知→改善要求→解除等)」をできる限り具体化しておくことが有効です。
また、新しい借主が入居する前に周辺住民・近隣店舗へ業種や稼働時間を事前に説明しておくことも有効です。クレームが発生した場合の一次対応窓口を借主側の担当者に設定しておくことで、オーナーが直接矢面に立つ状況を避けられます。
トラブル②:家賃滞納・支払い遅延
倉庫賃貸の家賃滞納は、住宅と比べて一件あたりの金額が大きいうえ、相手が事業者であるため問題が長期化しやすいのが特徴です。最初の数ヶ月は問題なく支払われていても、借主の事業が傾き始めると「今月末まで待ってほしい」という連絡が増え、やがて連絡が取れなくなる。というパターンが典型的です。
滞納が発生した場合、いきなり「すぐ退去」にはならず、一般に督促→解除通知→明渡し請求(訴訟等)→強制執行という段階的対応になります。
裁判手続や強制執行まで進むと、数か月~年単位になることも。
予防策と対処法
入居審査を丁寧に行うことが第一の予防策です。個人との契約であれば収入証明書、法人との契約であれば決算書や登記簿謄本の提出を求め、経営状況をある程度把握した上で契約を結びましょう。事業開始から間もない借主や財務状況が不透明な借主への貸し出しにはリスクが伴います。
また、個人の連帯保証人だけに頼るのではなく、賃貸保証会社の利用を条件とすることをおすすめします。保証会社が間に入ることで滞納発生時の回収手続きが確実になるからです。さらに「支払期日から10日経過で督促」「2ヶ月滞納で内容証明を送付」というように対応フローをあらかじめ決めておくことで、問題の長期化を防げます。
トラブル③:無断転貸・用途変更違反
オーナーが知らないうちに、借主が第三者へ倉庫を又貸ししていたり、契約時と異なる用途で使用していたりするケースがあります。いずれも契約違反ですが、オーナーが現場を定期確認していなければ発覚しにくいのが実態です。
無断転貸は原則として契約上・法律上の重要な問題になり得ますが、最高裁の枠組みとして「事情によっては解除できない場合がある(背信行為といえない特段事情)」という整理もあります。よって、違反が見つかった場合は、早期に書面で是正を求め、記録を残しつつ、専門家と対応方針を組み立てるのが安全です。
予防策と対処法
契約書に「無断転貸禁止」「使用用途の限定(例:資材保管のみ等)」「違反時の解除や損害賠償の取り扱い」等を明記し、年に1~2回ほど設備点検等の名目で定期的な現地確認をすることが、発見遅れを防ぎます。
トラブル④:原状回復トラブル
退去時に「修繕費の負担割合を巡って意見が食い違う」というトラブルは、倉庫賃貸でも頻繁に発生します。借主が「通常使用の範囲内」と主張する一方、オーナー側は「フォークリフトによる床面の損傷や重量物による壁の破損は通常損耗を超える」と主張するケースが典型的で、双方の言い分が平行線をたどったまま敷金の返還が何ヶ月も先延ばしになることがあります。
📋 事業用物件と住宅では原状回復の考え方が異なります
国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」は、民間賃貸住宅(居住用)を想定し、契約内容に沿った取扱いが原則である旨も説明されています。
事業用では契約・特約の設計が特に重要になりやすいため、入居前に「どこまで戻すか」「負担割合」を具体化しておくことが実務上有効です。
予防策と対処法
入居前に床・壁・シャッター・設備など各箇所の状態を写真と書面で記録し、借主と双方が署名した「現況確認書」を作成しておきましょう。退去時のトラブルは「入居前にどんな状態だったか」を証明できるかどうかで結果が大きく変わります。
また、契約書に原状回復の範囲と負担割合を具体的に定めておくことも重要です。「フォークリフト使用による床面損傷は借主負担」「通常の経年劣化による色褪せはオーナー負担」など、想定されるケースを書き出しておくことで退去時の解釈の齟齬を防げます。
退去当日はオーナー(または管理会社)と借主が立ち会い、現況確認書と照合しながら各箇所を確認し、双方が署名した書面を残しておけば事後のトラブルはほぼ防げるでしょう。
トラブル⑤:途中解約・立ち退き拒否
オーナー側の事情(倉庫を自分で使いたい、売却したいなど)で賃貸借を終了させようとしても、借主に拒否されてしまうケースがあります。
普通賃貸借契約では借主に「借地借家法」による強い保護があり、「自分で使いたい」という理由だけで立ち退きを求めることは法的に難しいのが現状です。正当事由が認められない場合は立ち退き料の支払いが必要になることも。
「売却するから出て行ってほしい」「建て替える予定がある」といった理由も、それだけでは正当事由として認められないケースがほとんどです。
予防策と対処法
将来取り戻す可能性が高い場合は、要件を満たした定期借家(定期建物賃貸借)を検討すると、更新がない仕組みのため計画を立てやすくなります。
書面要件や事前説明などの要件があるため、契約実務は専門家確認を行うことがオススメです。
トラブル対応の手間を、まるごとなくしたい方へ
リープコネクトのサブリースなら、家賃滞納・クレーム・立ち退き交渉など
倉庫賃貸にまつわるすべての対応をオーナー様の代わりに行います。
埼玉・群馬・栃木(北関東)エリアを中心に、東京・千葉・神奈川も対応。
倉庫賃貸のトラブルを未然に防ぐ3つのポイント

ここまで5つのトラブルを紹介してきましたが、共通していることがあります。それは、問題が起きてから対処しようとするほど、解決に時間とコストがかかるということです。いずれのトラブルも「契約前・入居前の準備」によって大部分を防ぐことができます。
①契約書を徹底的に作り込む
倉庫賃貸のトラブルの多くは、契約書の記載が曖昧なことに起因します。
- 使用用途
- 転貸の可否
- 原状回復の範囲
- 途中解約条件
- 違約金
- 稼働時間
- 車両条件
これらを具体的に定めておくことが、すべての防止策の土台です。
一般的な賃貸借契約書のひな形をそのまま流用するのではなく、倉庫・事業用物件に特有のリスクを想定した条項を盛り込むことが重要で、不動産専門の弁護士や司法書士に契約書のチェックを依頼することも長期的には大きな安心につながります。
②入居前の記録と確認を丁寧に行う
現況確認書(写真+書面+署名)を整備し、退去時の争点を潰しておくことが、原状回復トラブルの予防に直結します。
原状回復ガイドラインの趣旨としても、契約締結時の認識合わせが重要であることが示されています。
③問題の初期段階で迷わず動く
支払い遅延、連絡断、近隣クレームなどの初期サインが出た段階で、書面化・記録化し、必要に応じて専門家へ相談することが重要です。
強制執行等の手続は裁判所関与のもとで進むため、適法手続の設計が前提になります。
倉庫賃貸のトラブルに関するよくある質問
Q. 家賃滞納が発生した場合、すぐに退去させることはできますか?
A. 即時の退去請求は難しく、一般的には内容証明郵便による催告・契約解除通知・明け渡し請求訴訟という手順を踏む必要があります。この流れには数ヶ月〜1年以上かかることも。滞納が発生した段階で早めに不動産専門の弁護士に相談することをおすすめします。
Q. 借主が無断転貸していた場合、契約を解除できますか?
A. 契約書に転貸禁止の条項があれば、違反を理由に契約解除を求めることが可能です。ただし、解除が認められるためには「背信行為」と判断される程度の違反が必要とされるため、まずは書面で是正を求め、それでも改善されない場合に解除手続きに進むのが一般的な流れです。
Q. 原状回復費用の負担割合はどう決まりますか?
A. 事業用物件の場合、国土交通省のガイドラインよりも契約書の記載内容が優先されます。入居前に現況確認書を作成し、原状回復の範囲と負担割合を契約書に明記しておくことが最大の予防策です。記録がない場合は双方の主張が食い違いやすく、解決に時間がかかります。
Q. オーナー都合で倉庫を取り戻したい場合はどうすればよいですか?
A. 普通賃貸借契約では「正当事由」がなければ立ち退きを求めることが難しく、立ち退き料の支払いが必要になるケースもあります。将来的に倉庫を取り戻す可能性がある場合は、最初から定期賃貸借契約(定期借家契約)を結んでおくのが最も確実な対策です。
まとめ
倉庫賃貸でよく起きるトラブルと対策を5つのケースに分けて解説しました。近隣クレーム・家賃滞納・無断転貸・原状回復・立ち退き拒否——いずれも、契約書の作り込みと入居前の記録整備によって大部分を防ぐことができます。問題が起きてから動くより、最初に仕組みを整えておく方がオーナーの負担は圧倒的に小さくて済みます。
それでも「管理の手間をすべてなくしたい」「空室リスクなしに安定収入を得たい」という場合は、サブリースを検討してみてください。リープコネクトでは、埼玉・群馬・栃木を中心とした北関東エリアで、倉庫オーナー様の収益安定化をサポートしています。
空き倉庫の活用、リープコネクトにご相談ください
埼玉・群馬・栃木(北関東)エリアを中心に、東京・千葉・神奈川も対応。
サブリース方式で、手間なく安定した賃料収入をご提供します。

