「埼玉の倉庫、相場はどのくらいなんだろう」「エリアによって賃料はどう変わるのか」。倉庫を借りようとしている方も、貸し出しを検討しているオーナーも、まず知りたいのが具体的な数字のはずです。
埼玉県は外環道沿線から県北部まで広く、エリアによって坪単価に2倍近い差があります。また、どんな業種がどのエリアに集まっているかを知らないと、「借り手がつかない」「相場より安く貸してしまった」という結果になりかねません。
この記事では、埼玉県の貸し倉庫・貸し工場の賃料相場を坪単価・エリア別に整理し、需要の実態(集まる業種・すぐ決まる物件の条件)までまとめました。倉庫を探している方にも、貸し出しを検討しているオーナーにも参考になる内容です。
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埼玉県の貸し倉庫・賃料相場まとめ
埼玉全体の坪単価レンジ
埼玉県の貸し倉庫・貸し工場の賃料相場は、坪単価3,500〜6,000円が目安です(2026年時点)。
東京に隣接する川口・戸田エリアは需要が高く6,000円台半ばに達する一方、県北部の熊谷・深谷では3,000円前後と幅があります。EC需要の急拡大を背景に、外環道沿線の三郷・八潮・草加は近年とくに上昇が続いており、首都圏の中でも千葉県と同水準で推移しています。
IC至近・大型車対応の物件は需要過多の状態が続いており、空きが出ると短期間で成約するケースが増えています。本記事の数値は参考値であり、現況は変動している可能性があります。
月額賃料×広さの目安
倉庫を借りる際の予算感をつかむために、月額賃料と広さの関係を整理しました。下記は埼玉県全体の傾向です。
| 月額賃料の目安 | 広さの目安 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 〜19万円 | 10〜30坪 | アトリエ・小規模作業所 |
| 20〜29万円 | 35〜60坪 | 倉庫・作業所 |
| 30〜39万円 | 65〜110坪 | 倉庫・製造 |
| 40〜69万円 | 115〜180坪 | 倉庫・販売(最需要帯) |
| 70〜99万円 | 185〜280坪 | リフト付き・クレーン付き |
| 100〜149万円 | 285〜350坪 | 大型倉庫・工場 |
| 150万円〜 | 355坪〜 | 物流センター・大型物流倉庫 |
115〜180坪帯(月40〜69万円)が埼玉では最も動きが多い需要帯です。EC事業者や食品・日用品の配送業者が好むサイズ感で、このレンジの物件はオーナーにとっても空室リスクが比較的低い傾向にあります。
エリア別坪単価の比較
エリアによって相場はかなり異なります。立地条件(IC距離・道路幅員・都心アクセス)が坪単価に直接影響するため、参考にしてください。
| エリア | 坪単価の目安 | 特徴 |
|---|---|---|
| 川口市 | 6,000円前後 | 都心最近接、需要高め |
| 戸田市 | 約4,400円 | 首都高・外環アクセス良好 |
| 三郷・八潮 | 4,900円前後 | EC物流の集積地、競争激化 |
| 上尾市 | 約4,100円 | 大型物件多め |
| 久喜市 | 約3,600円 | 東北道×圏央道、100坪超の物件多め |
| 坂戸市 | 約3,600円 | 関越道IC近く |
| 春日部市 | 約3,500円 | 駐車スペース確保しやすい |
| 深谷市 | 約3,000円 | 広め・賃料低め、北関東中継向き |
三郷・八潮が高い理由:外環道のインターに近く、都心への配送時間が短い。EC・通販系の借主が集中しており、空きが出ると短期間で埋まるため、賃料が高止まりしています。
エリア別の相場と特徴

埼玉県は東西南北で産業構造や交通インフラが大きく異なります。自分の物件がどのエリアに属するかを確認しながら、相場感と借主の傾向を把握しておくことが重要です。
【川口市・戸田市】都心直結の高需要エリア
東京に隣接する川口・戸田エリアは需要が非常に高く、埼玉県内でも高水準の募集賃料が見られます。
賃料の目安として、川口市は坪単価5,500〜6,000円程度、戸田市は6,000円を超えるゾーンに入ることが多く、県北部の熊谷・深谷(3,000〜3,500円程度)と募集レンジで比較すると2倍近い価格差があります。
このエリアは、条件の良い物件ほど早期に検討が進みやすい傾向です。
小規模な貸倉庫は住宅混在エリアにも点在していますが、「大型車が接車できる平屋物件」は供給が限られやすく、募集が出ると短期間で成約に至るケースもあります。
オーナー必見ポイント:川口・戸田エリアは東京に近い分、賃料の値上げ交渉がしやすいエリアです。前面道路6m以上・大型車可の条件が整っていれば、坪4,500円超も十分に狙えます。
【三郷・八潮・草加】EC物流が集中する外環道沿線
外環道(東京外環自動車道)沿線の三郷市・八潮市・草加市は、埼玉の中でも特に注目度が高いエリアです。
坪単価は4,900円前後と高水準で、EC・通販系の物流企業が次々と拠点を構えています。
Amazon・ヤマト・SGホールディングスなどの大手が大型拠点を構えるだけでなく、発送代行・フルフィルメント系の中小業者も集まっており、100坪前後の中規模物件への需要が特に旺盛です。JR九州が2025年に三郷市で「ロジクロス三郷」(延べ床面積約13万5,000㎡)を開発したことからも、大手デベロッパーがこのエリアに集中投資していることは明らかです。
大型施設の集積はオーナーにとって追い風でもあります。大型拠点の周辺には、それを支える中小規模の協力会社・委託先が拠点を構えるニーズが生まれるからです。旗艦施設が増えるほど、その近辺の100〜300坪クラスの既存物件にも引き合いが波及する構造になっています。つくばエクスプレス(TX)の開業以降は周辺に住宅地が増え、倉庫の作業員を確保しやすい環境も整ってきています。
このエリアで注意すること:需要が強い反面、大手デベロッパーによる新規大型施設の供給も増えています。中小規模の物件は設備スペックで差別化を図ることが重要です。
【久喜・白岡・桶川】東北道×圏央道の結節点
久喜市・白岡市・桶川市は、東北自動車道と圏央道が交わる「物流の結節点」として注目されてきたエリアです。
坪単価は3,600〜4,100円と外環道沿線より抑えられており、その分100坪超の大型物件への需要が厚いのが特徴です。
久喜市は関東平野のほぼ中央に位置し、都心まで約50km圏内。市内を南北に貫く東北道と、東西に横断する圏央道の両方を使えるため、東京・北関東・東北方面すべてへの配送拠点として機能します。
【川越・坂戸】関越道沿いの安定需要エリア
川越市・坂戸市は関越自動車道のICに近く、坪単価は3,600〜3,700円程度で推移しています。製造業や建設資材系の業者を中心に、安定した需要があるエリアです。
川越市周辺は準工業地域が広がっており、業種の制限が比較的緩い物件が多い点も特徴です。所沢IC・鶴ヶ島ICへのアクセスも良く、関越道を使った群馬・新潟方面への配送拠点としての活用も多く見られます。外環道沿線ほど賃料は高くないため、コストを抑えたい借主にとっても選びやすいエリアです。
【熊谷・深谷】広い敷地と低コストが魅力の県北部
熊谷市・深谷市は埼玉県北部に位置し、坪単価は3,000円前後と県内でも低水準です。その代わり敷地が広く、大型トラックの回転スペースや屋外ヤードを確保しやすいのが特徴です。
建設資材・製紙・農業資材などの重量物・かさばり物系の借主が多く、クレーン付き・天井高8m以上といった大型設備を備えた倉庫への需要があります。
北関東・東北方面への中継拠点として選ばれるケースが多く、長距離輸送を行う運送会社の保管・積み替え用途にも向いています。
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埼玉の倉庫需要の実態:集まる業種と、すぐ決まる物件の条件

賃料相場だけでなく、「どんな業種が借りるのか」「どんな物件が早く決まるのか」を知ることは、オーナーにとって空室対策の基本です。埼玉は産業構造が多様で、エリアによって借主の業種も大きく異なります。
EC需要が首都圏最大規模:三郷・八潮・草加の集積
埼玉県、とりわけ外環道沿線の三郷・八潮・草加エリアは、首都圏のEC物流の中核といえる場所になっています。
背景にあるのはEC市場の拡大です。当日・翌日配送が当たり前になった現在、東京という巨大消費地への近さが最重要条件です。外環道のICから都心まで30分前後でアクセスできるこのエリアには、Amazon・ヤマト・SGホールディングスなどの大手物流企業が大型拠点を構えるだけでなく、中小の発送代行・フルフィルメント事業者も次々と集まっています。
大手が大型施設に集中する一方、その周辺には「大手の下請け・協力会社が近くに倉庫を確保したい」という二次需要も発生しています。旗艦施設が増えるほど、近辺の既存物件への引き合いが波及する構造になっており、このエリアの倉庫需要は単純なEC成長以上の厚みを持っています。
EC借主が倉庫に求めること:24時間稼働可・平屋建て・大型車接車可・事務所付き。これらの条件が揃うほど、EC系の借主候補へのアプローチがしやすくなります。
自動車・医薬・食品、多業種が並存する産業構造
埼玉の倉庫需要がEC一色かというと、そうではありません。県内には自動車部品・医薬品・食品・化学品など、多様な産業が集積しており、それぞれが異なるスペックの倉庫を必要としています。
自動車部品は川口・上尾・蕨エリアに多く、ホンダ(和光研究所)や日産(上尾工場)系のサプライヤーが部品の保管・JIT(ジャストインタイム)納入のために倉庫を借りています。
同じ自動車関連では、タイヤ販売店・カー用品店・整備工場などが「顧客から預かったシーズンオフタイヤの保管倉庫」を借りるニーズも埼玉では一定数あります。
タイヤ保管は直射日光・雨・高温多湿を避けられれば基本的な要件を満たすため、天井高が低い・大型車が入れないといった理由で他業種の入居が難しかった物件でもマッチするケースがあります。
医薬品・化粧品は富士見市・ふじみ野エリアに集まっており、空調完備・セキュリティ対応の倉庫へのニーズが強いです。
食品・冷凍冷蔵は戸田・越谷・三郷エリアを中心に、コンビニ・スーパー向けの配送センターが多く、定温管理ができる設備を持つ倉庫が特に求められています。
| 業種 | 集積エリア | 求めるスペック |
|---|---|---|
| EC・通販物流 | 三郷・八潮・草加 | 平屋・大型車可・24h稼働 |
| 自動車部品 | 川口・上尾・蕨 | 大型車可・動力・工業地域 |
| 食品・冷凍冷蔵 | 戸田・越谷・三郷 | 定温設備・冷蔵冷凍 |
| 医薬品・化粧品 | 富士見・ふじみ野 | 空調完備・セキュリティ |
| 建材・重量物 | 熊谷・深谷・行田 | クレーン・天井高8m以上・屋外ヤード |
| 大型物流(東北・北関東向け) | 久喜・白岡・桶川 | 100坪以上・IC5km以内 |
業種が多様なことは、貸主の選択肢を大きく広げられるということです。EC物流向けでなくても、物件のスペックや立地次第で別の業種の需要を取り込むことができます。「誰に貸すか」を意識した物件の見せ方が、空室期間の短縮につながるでしょう。
「平屋・大型車可・IC5km以内」が決め手になる
埼玉の貸倉庫市場で実際に仲介を行う不動産会社は、「大型車が接車できる平屋物件は、公開されてもすぐに決まってしまう」と口をそろえています。
借主が倉庫を選ぶ際に重視する条件には順位があります。
| 条件 | 理由 |
|---|---|
| 大型車接車可能(前面道路6m以上) | EC・食品物流は10tトラックが必須 |
| IC至近(5km以内) | 配送時間とコストに直結する |
| 平屋建て | 重量物・フォーク動線・荷役効率が格段に上がる |
| 天井高5m以上 | 棚の多段積み・フォークリフト使用の可否に関わる |
| 事務所付き | 管理スペースを別途借りる手間が省ける |
| 24時間稼働可能 | EC・食品は深夜出荷が常態化している |
| 動力電源(キュービクル) | 冷凍設備・自動化機器の導入前提 |
逆にいえば、この3条件(大型車可・IC5km以内・平屋)のうち2つ以上を満たしている物件は、埼玉において慢性的に供給が不足しています。オーナーとして物件を市場に出す際は、これらの条件を前面に打ち出すことが早期成約につながります。
2階建て倉庫の場合は?平屋に比べると需要は下がりますが、「1階倉庫・2階事務所」の構造であれば実用性は高く評価されます。業種によっては2階建てでも問題ないケースも多いため、仲介担当者に相談しながら募集条件を設定するのがおすすめです。

よくある質問
Q. 50坪以下の小規模倉庫でも借り手はつきますか?
A. つきます。ただしエリアによって需要の厚さが異なります。川口・三郷・八潮など外環道沿線の南部・東部エリアは小規模倉庫への需要も一定数あり、アトリエ・作業所・個人EC事業者などが借り手になるケースがあります。一方、県北部(熊谷・深谷など)では小規模物件の需要は薄く、空室が長引く可能性があります。
Q. 短期契約の需要はありますか?
A. 通常の貸倉庫契約は2〜3年が一般的で、短期(6ヶ月以内)の需要は限られます。ただし、季節在庫の保管需要(年末商戦向けの一時保管など)や引っ越し・移転期間中の仮置き需要は存在します。短期前提で貸し出す場合は賃料を通常より高めに設定し、原状回復のルールを明確にしておくことが重要です。
Q. 工場と倉庫で賃料は変わりますか?
A. 同じ広さ・立地でも、工場(製造利用可能)の方が倉庫より賃料が高い傾向があります。理由は用途地域の制限と設備スペックの違いです。工業専用地域・工業地域の物件は準工業地域より借主の業種制限が厳しい代わりに、キュービクル・クレーン・大電力設備などを備えているケースが多く、賃料に反映されます。なお、工場跡の遊休倉庫を貸し出す場合、既設のクレーンや電力設備が借主にとってメリットになることがあります。
まとめ
埼玉県の貸し倉庫・賃料相場と需要の実態を整理しました。
埼玉の倉庫市場で押さえておきたいポイントは3つです。まず相場はエリアで大きく異なります。外環道沿線(三郷・八潮)の坪4,900円前後から、県北部(深谷)の3,000円前後まで差があります。都心との距離とICへのアクセスが賃料を決める最大の要因です。
次に需要の業種が多様です。EC物流が最大の需要源ですが、自動車部品・医薬品・食品・建材など業種によって求めるスペックが異なります。物件の条件を整理して、どの業種に向けて貸し出すかを明確にすることが空室対策の第一歩です。
そして「平屋・大型車可・IC5km以内」の3条件がそろう物件は慢性的に不足しています。この条件を満たす物件は、公開後すぐに問い合わせが入るのが埼玉の現状です。オーナーとして物件を市場に出す際は、これらの条件を前面に打ち出すことが早期成約への近道になります。
群馬の相場と比較したい方は、下記も参考にしてください。
>>群馬県の貸し倉庫・賃料相場まとめ!坪単価とエリア別の需要
賃料設定やオーナー目線の価格戦略については、下記の記事で詳しく解説しています。
>>貸し倉庫の賃料相場はいくら?埼玉・群馬の坪単価を徹底調査
空き倉庫の活用、リープコネクトにご相談ください
埼玉・群馬・栃木(北関東)エリアを中心に、東京・千葉・神奈川も対応。
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